今年1月12日に開幕したV・チャレンジリーグは、2月3日までに8試合を消化し、1週の休みを経て2月16日に再開される。
開幕前にわからなかった点を含め、各チームのここまでの状況を振り返り、今後の展開について検討してみる。
なお、今後のV・チャレンジリーグの日程については下記のとおり(詳細:Vリーグ公式)。
| 日 | F東 | つく | 東V | ジェ | 警視 | 富士 | 大同 | デル | 近畿 | トヨ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2/16-17 | 香川 | 香川 | 香川 | 香川 | 長崎 | 長崎 | 長崎 | 長崎 | 長崎 | 長崎 |
| 2/23-24 | 稲城 | 稲城 | 稲城 | 稲城 | 稲城 | 稲城 | - | 稲城 | - | 稲城 |
| 3/1-2 | 川崎 | - | 川崎 | - | 川崎 | 川崎 | 堺 | 堺 | 堺 | 堺 |
| 3/8-9 | 刈谷 | 刈谷 | 刈谷 | 刈谷 | - | - | 刈谷 | 刈谷 | 刈谷 | 刈谷 |
| 3/15-16 | - | 島根 | - | 島根 | 島根 | 島根 | 島根 | 島根 | 島根 | 島根 |
| 3/22-23 | つく | つく | つく | つく | つく | つく | つく | - | つく | - |
FC東京
8勝0敗
開幕後、ここまで無傷の8連勝。富士通とのフルセット以外は失セットもなく、安定感のある戦いを続けている。
攻守の要であるレフト福田、伊東の安定感は今シーズンも見るものを魅了し、また、実質3シーズン目を迎えるセッター山内のトス回しには上を目指す気概が感じられる。
正直、V・チャレンジリーグの中では頭1つ抜けている感はあるのだが、V・プレミアリーグに伍するほどの圧倒的な強さであるかとは感じがたい。「その先」へ向けて、更に「にくいほど強い」状況へチームを高めたいところである。
開幕以来、調子に乗り切れていないエース阿部の爆発は今後見られるか、また、ブロック部門で気を吐いている加賀、スパイク部門に切り込むには打数が不足気味の大庭の両センターがどう攻撃に絡んで行くか、気にかかるところである。
つくばユナイテッドSun GAIA
7勝1敗
警視庁に敗れたのみの1敗。FC東京・東京ヴェルディとの対戦を残しているものの、ここまでの戦いぶりは戦前の不安感を払拭するに充分である。
実質リベロ赤木とセッター対角に入る阿部の2人で対応するサーブレシーブの精度の高さが光り、また、レフト小川、センター石川などがしっかりと地力をつけてチームを支えている。そこに、「インターンシップ生」として加入しているレフト大木(宇都宮大学)が尻上がりに調子を上げてきて、チームに勢いをつけている。
尤も、選手層の薄さは、残るリーグ戦を戦う上で懸念材料である。2月3日でインターンシップの契約を終了した小橋口・外山(国際武道大学)が抜け、その後若干の選手入れ替わりがあるものと思われる。
ともかく、今週末のFC東京戦、東京ヴェルディ戦が試金石になることは言うまでもない。
東京ヴェルディ
7勝1敗
序盤7連勝したが、FC東京との直接対決ではストレートで完敗した。
エース飯塚が開幕から負傷で出場できていない中、サウスポー上場と新人の和井田がその穴を埋めて余りある活躍をしている。上場はブロック・サーブでも高い決定率を残している。
前述の飯塚に加え、2月3日のFC東京戦で奥田が負傷し、今シーズンの残り試合をセッター高橋1人で乗り切らなければならなくなった(昨シーズンは高橋負傷により奥田が1人、と、今シーズンとは逆の状況であったが)等、選手層の薄さは大きな不安材料である。現状のメンバーでいかに力を出し切れるか、1試合1試合が正念場になる。
ジェイテクトSTINGS
6勝2敗
警視庁・つくばユナイテッドに敗れ現在2敗。つくば同様、FC東京・東京ヴェルディとの対戦を残している。
正セッター・野沢が開幕から負傷のため欠場していたが、2月3日の試合で復帰した。攻撃陣も石田・松原(内定選手)など185cm前後の切れのよい選手を揃える。また、センター金丸のブロックが冴え、要所で登場してくる大ベテラン泉川の存在感が高い。
V・チャレンジリーグの中では選手層が厚いチームに数えられるが、それだけに選手起用上惜しい場面が少なからず存在している。今後要所要所でどう選手を使い分けて行くか、如何に試合の流れを優位に保ったまま戦えるかということが問われる。現在の順位から上げていけるかどうかは、その点にかかっているのではないだろうか。
警視庁
5勝3敗
開幕4連勝とダッシュしたが、FC東京に1敗、東京ヴェルディに2敗し現在5勝3敗。
昨シーズン負傷で出場機会の少なかった福田、東レから移籍した浜口、豊田合成から移籍した清水と195cm超のセンターを3人擁する。このうち1人は控えでワンポイント起用が可能であり、高いブロックはV・チャレンジリーグでは脅威である。また、リベロ石川が加入したことにより、サーブレシーブの安定感が増し、これもセンター線を活かせる大きな要因となっている。
昨シーズンに比較すると、全体的に戦力アップではあるものの、前年までのエース堀江が一線を退いたこともあり、攻め込まれたときの切り札不足、脆さという課題が残っている。今後上位を脅かし、更に上の順位に食い込んで行くためには、その「もう一歩」をどう埋めるかがカギになる。ヴェルディに敗れた2試合から見えることが大きいのではないだろうか。
富士通
2勝6敗
昨シーズン中位を争った警視庁とは逆に、開幕から6連敗というほろ苦いスタートとなった。
大学バレーで活躍したセッター北沢、リベロ藤森(早稲田大学)、セッターの対角に入る神山(中央大学)という3人の内定選手が徐々にスタメンに定着してきた。また闘志あふれるキャプテン勝田、今シーズンはセンターで起用される小口、安定感のあるセンター平澤、攻撃の要である岩井など現有戦力とのバランスも徐々に取れてきて、見ても楽しいバレーボールが展開されてきているのだが、現時点ではなんとも惜敗が多く、成績に結びついていない。メンバーがある程度固定されてきたことで今後の巻き返しに期待したいところである。
なお、東京フェスティバルの客席などで「富士通もフロンターレになっちゃえば」というような声がちらほら聞こえた。フロンターレはさておき、今年6人の大量採用を行ったこのチームが、今後どちらの方向に進んで行くかということに関しては目を離さないほうがよさそうだ。
大同特殊鋼Red Star
2勝6敗
粘り強く戦い、相手を自滅させる大同バレーが、今シーズンも展開されている。ホームでの開幕戦でつくばユナイテッドから2セット先行、東京ヴェルディからも1セット先取するなど上位を脅かしてはいる。尤も、昨シーズン撃破したFC東京にはほとんど見せ場無く2連敗を喫してしまった。
今シーズンから加入したセッター淡田が、各アタッカーをうまく使っている。センター小林がスパイク決定率で上位に入っている。ただし、もう1枚のセンターが橋満・児島の併用ながら安定しない。好調を保ってきたレフト倉田の負傷もここへ来て痛い。
昨シーズンベストスコアラー賞の若山の調子が上がってくれば、もうひと嵐吹かせる原動力になるのではないだろうか。
阪神デルフィーノ
2勝6敗
今季から新加入のこのチームがV・チャレンジリーグでどのように戦うのか、ということについて、開幕直前まで皆目見当がつかなかった。公式プログラムがまったく役に立たないと言われる、年末追加登録された選手を中心とした戦いで、東京ヴェルディからセットを取り、更に3戦目でトヨタ自動車に勝利を収めた。その後近畿クラブにも勝ち、現在2勝。
チームの中心には司令塔の中村、2戦目から参戦したセンター中川、地域リーグ時代からのデルフィーノの顔・半田などVリーグ(当時)経験者が名を連ねる。ベテラン選手たちの気持ちのこもったプレーは、見る者に感動を与え、涙さえ誘う。
とはいえ、舞台はV・チャレンジリーグである。今後もこのステージで戦って行く以上、チームとして一番力が出せるのはどういうメンバーで、どういう状況であるかということを、最大限追求していく必要はあるのではないだろうかと考えることはある。
近畿クラブスフィーダ
1勝7敗
2戦目で富士通にストレート勝ちしたが、それ以外は連敗中。
昨季からのセンター川越キャプテン、サウスポー東、若きセッター毛利(つくば大木加入前はV・チャレンジリーグ最年少スタメン選手だった…)に加え、FC東京から移籍したレフト西畑、併用されるリベロ折井・矢島など、個々の選手から受けるインプレッションは決して低くない。ただし何か決め手に欠ける。
より上位に進出するためには、何かしらのきっかけが必要なのではないだろうかと考える。
トヨタ自動車
0勝8敗
今季から近藤監督の新体制となったが、現在、開幕から勝ち星なしの8連敗。
総得点現在3位の上道がスパイク(セットあたり決定本数1位)、サーブ(決定率3位)等で気を吐いているのが目立っているが、全体的には特記することが難しい状態で、現時点では地域リーグからの足音が聞こえた場合、厳しい状況となりそうという印象は拭えない。
ひとつでも多くの勝ち星を得られるよう、後半戦への上積みが求められる。