V-M-S特別レポート-「翔」に教えてもらったこと。

先日のV・プレミアリーグのサントリーサンバーズのホームゲームに、「翔」というバレーボールのクラブチームメンバー、保護者など20名以上の方が観戦に来られました。
サンバーズ越川選手が岡谷工業高校在学中、その父母会の会長を務めていたのが「翔」の監督である市川さんでした。
その縁から、年1回、サンバーズの試合を長野から見に来ているそうです。

試合後、越川選手は、歓迎会ということで「翔」の皆さんと食事を楽しむ場を用意されていました。今回私たちはその場にお邪魔する機会をいただき、市川監督はじめ、皆さんとバレーボール談義をさせていただきましたので、そのレポートをお届けします!

会場となったのは、大阪難波の某所。
18時半ごろから越川選手の挨拶と、市川監督の挨拶で始まった食事会。
「翔」のメンバーである子供達は、緊張しつつも、憧れの越川選手を囲み
うれしそうな笑顔が印象的でした。

この日は越川選手自身、ケガからの復帰試合だったということもあり、
越川選手にとっても、いい思い出になったことは間違いないでしょう。

また、今回の食事会には、サンバーズ木原選手や、
なんと!!北京五輪女子ソフトボール日本代表選手たちも参加されており、
お邪魔した私たちも、緊張を隠せませんでした。

会場のあちこちで笑い声が響き、記念撮影とばかりにフラッシュが光るなか、
市川監督や、子供達、保護者の方にバレーボールの楽しい話を聞かせていただきました。

「翔」の小学生の女子選手たちについて。

市川監督「小学生なんだけど、練習試合の相手は全国大会でトップクラスの中学や高校のチームなんです。もちろん相手の方がパワーはあるけど、うち はよくあげるし、よく拾う。なにより、とにかく速いんです。だから、中高生もなかなか追い付けなくて、5セット中2セットは絶対取ります。」

練習は厳しいのでしょうか?

市川監督「バレーばっかりやってるわけじゃありません。バドミントンもすれば、ソフトボールもするし、マラソンでも、興味のあるものはなんでもします。昨 日は8km走りました。よく志賀高原で8km~12.5km走るんです。スキーコースだからアップダウンはすごいけど、気持ちいいですよ。」

他に何か「翔」の特色はありますか?

市川監督「全員セッター、全員アタッカーなチーム。バックアタックが中心で縦の時間差も使え、2本目で打つことも誰もためらわないチーム」です。

「普段は練習時間は、体育館の都合で月・木・土が20時から2時間、日曜は18時から4時間やっています。」
「日曜の練習は録画し、チーム全員で分析、納得いかない選手は何度も、うちに見に来ることもある」
「今週の目標をたて、日曜日に確認し、それを繰り返し、3ヶ月後には全てできるようにする。」
「それにより、ポジションは決まっていはいるが、全員セッターで全員アタッカーというチームが出来上がっています。」

小学生主体のチームということでありながら、これだけのハードワークとひたむきさは、子供達には負担にならないのかなと思い、今度はチームのメンバーに聞いてみました。

遅くまで練習しているみたいだけど、大丈夫?

「全然きつくない。明日の練習が楽しみ。」
(この日が土曜日だったため、明日長野に戻り次第、練習があるようです)

バレーボールを始めたきっかけは?

「お母さんやお姉さん、知り合いの上級生がやっていたから」
「アテネオリンピックを見てやってみたくなった」

と、バレーボールを身近に感じることがやはり大きな理由のようだ。

バレーボールをしていて楽しいときは?

関選手「ボールを拾ったとき」
北堀選手「強いボールを上げたとき」
徳竹選手「トスを上げて、スパイクが決まったとき」
永井選手「スパイクが決まったとき」

と、それぞれのポジションを象徴した答えが返ってきました。
そして来春から揃って地元の強豪中学に進学する彼女たちが口を揃えて言ったのは、「バレーボールしてるのが楽しい」という言葉。
永井選手は「将来はまだわからないけど、バレーボールは続けたい。部活が忙しくなるだろうけど、翔でもずっとやりたい。」と言う。

私自身も少し経験があるのですが、楽しいと思えるようになるまでには、必ず
つらい経験もあったのではと思い、保護者の方ともお話を聞かせていただきました。

かつて別のチームに所属していた選手の保護者は言う、
「前のチームでは、監督が自分の見栄のために子供たちを叱っていて、子供は潰されそうになっていました。でもバレーはやりたいと言うので、翔に来ました。市川監督は、子供ががんばってることを認めてくれるんです。」

夜遅くに子供を送り迎えしたり、食事やいろいろとサポートする保護者の負担は大きいですし、大変ですね?

「翔に行くのは、親も楽しいんです。親子ではまります。」
と笑顔で答えていただきました。

ここまでの話を聞いていて、しっかりとしたクラブだけど、もっと特別なものが「翔」にはあるんじゃないのかなと思い、もう少し聞いてみました。

そして興味深い答えが見つかりました。
実は「翔」というクラブは、指導者を育てるためのクラブでもあるようです。コーチは、越川選手の岡谷工時代同級生でもある、市川監督の息子さんをはじめ、クラブのOB・OG、そして指導者を目指している人など10人前後おり、
小学生から社会人までの男女を年令ごとにいくつかのグループに分けて指導しているそうです。
小学生チームを指導する市川コーチは
「この年代の子はまだ自分の限界を知らない。だから、フラフラになっても『まだやる!』って立ち上がって、ほんとにやるんです。おもしろいですよ。」

そこには、「代々木体育館のあの悔しさが忘れられない」という市川コーチのバレーへの思い、そして選手の自主性や才能を見守る逞しさが感じられました。

トレーナーになりたいという高校3年生の小野選手は、
「部活の指導者は勝つためだけのバレーしかなくて、どうしても合わなかった。翔に来たら、バレーするのがすごく楽しかった。それに、ここに来てからのほうが強くなったし、うまくなれたんです。」と言い、
「将来は翔で教えたい。」と話してくれました。

「将来、実業団でプレーしたい。」と言った北堀選手、「越川選手みたいな、すごい選手になりたい。」と口にした関選手。この先もずっと「バレーボールが楽しい」と言い続けることのできるような指導者やチームと出会い、夢を叶えて欲しいと願います。
トップレベルとはまた違った形でのバレーボールの魅力を教えていただいた「翔」のみなさん、越川選手、ありがとうございました。

コメントを書く

メールアドレスが公開されたり他で使われたりすることはありません* 印の項目は必須項目です。

*
*

Trackback URL