いよいよ1月10日(土)から、2008/2009 V・チャレンジリーグが開幕する。
V・チャレンジリーグへの出場チームは、昨年の10から2つ増えて12チームとなった。1~2月はこの12チーム総当たりでレギュラーラウンドを戦い、3月は、レギュラーラウンド上位8チーム総当たりによるファイナルリーグが行なわれ、ファイナルリーグの成績により順位が確定する。ここでの最終順位上位2チームは、4月にV・プレミアリーグ下位2チームとのチャレンジマッチに臨む。上位であるV・プレミアリーグと決定的な差を感じざるを得ない現況下、V・チャレンジリーグ上位チームは、リーグを戦う中でさらに上位へ通用するバレーを模索しながらの戦いになることが予測される。
以下に、出場する12チームの見どころ、注目したい点などについてまとめる(観る機会の少ないチームが多く、書き切れていない点はある。試合が進む中で補足していきたい)。なお、紹介順は2007/2008シーズンの順位。
是非、1人でも多くの方と、V・チャレンジリーグ観戦の楽しみを共有できればと思う。
2008/2009V・チャレンジリーグ日程(Vリーグ公式サイト)
FC東京
- 監督:吉田清司
- 主将:中谷宏大
- 07/08順位:1位(チャレンジマッチで大分三好ヴァイセアドラーに敗れ残留)
前身は東京ガスバレーボール部。2003年4月より「FC東京バレーボールチーム」となる。選手は東京フットボールクラブ(FC東京の運営会社)、東京ガスやその関連企業に勤務し、通常業務後や土日などに練習を行なっている。
前シーズンはV・チャレンジリーグで他チームを寄せ付けず、全勝優勝を果たしたが、チャレンジマッチでは2年連続で対戦した大分三好に及ばなかった。
このシーズン後、金澤前監督が勇退し、8月の北京五輪終了後、同五輪に全日本アナリストとして帯同していた吉田氏を新監督として迎えた。
今シーズンもV・プレミアリーグ昇格が大きな目標である。堅実なバレーボールを展開する中で、どれだけ「上」へ通用するインパクトを残せるかが今季の課題である。そのためには、伊東克明や福田誉(ともにサイドアタッカー)らベテランの働きに依存するばかりではなく、中堅・若手選手の台頭にも期待したい。
また、このチームには昨シーズン末からリベロが3人加入し、現在リベロが6人登録されている。本番にはどの選手が出てくるのだろうか。
警視庁
- 監督:笠原正伸
- 主将:松本幸博
- 07/08順位:2位(チャレンジマッチでNECブルーロケッツに敗れ残留)
警視庁(東京都内管轄の警察)特科車両隊内で創部された。選手たちは現役の警察官でもあり、それゆえ練習時間は不規則となっている。今季は2008年7月に行なわれた洞爺湖サミット開催に伴う警備の影響もあり、上半期はほとんど対外試合への出場に至らなかった。
今シーズンより監督が笠原氏(前東レの紀久氏の実兄)に交代した。天皇杯(関東ブロックラウンドで東海大に敗退)では、センター線を中心とした中堅選手の充実ぶりが目に留まった。前シーズンまでの正セッター・池ノ上宏之が退団し、その後を継ぐ岩知道呂夫(日本体育大出身)がカギを握る。また、東京ヴェルディから移籍した中田学(サイドアタッカー)のプレーにも注目したい。
浜口和良(前東レ)、福田健太(前サントリー)、清水大輔(前豊田合成)など、V・チャレンジリーグ屈指の高さを誇るミドルブロッカーは今シーズンも脅威だが、まずはシーズン通して無事であることを願いたい。
つくばユナイテッドSun GAIA
- 監督:山口誠
- 主将:菊池孝一
- 07/08順位:3位
2005年、「つくばユナイテッドVOLLEYBALL」(当時任意団体、現NPO法人)が企画運営した大学生の大会「2005東西インカレバレーボール大学王座決定戦」内のイベントにて、Vリーグ昇格を目指して新しいチームを立ち上げる旨が発表された。その後、筑波大学の学生とOBを中心としたチーム作りが進められてきた。V・チャレンジリーグへは2006/07年から参戦し、今季3シーズン目を迎える。
今シーズンは幅広い層からの移籍加入があり、大学シーズン中に学生を除いたチームで公式戦出場が可能となるほど選手層が厚くなった。殊に、サイドアタッカーに関しては、和井田剛史、上場雄也が東京ヴェルディから移籍加入し、前シーズン新人賞を受賞した大木貴之(宇都宮大)を含め競争が激化している。今シーズン途中から加入したセッター・岩田岳大(鹿児島大→筑波大大学院)がどうゲームをつくっていくかがカギになる。
大学生選手は前述の大木のほか、昨シーズンに引き続き参戦する小橋口祐嗣(ミドルブロッカー・国際武道大)、新たに参戦する久田利彦(リベロ・宇都宮大)、塚崎晋平(セッター・国際武道大)らが登録されており、それぞれの活躍にも期待したい。
東京ヴェルディ
- 監督:山中禎一郎
- 主将:渡邊友嗣
- 07/08順位:4位
東京教員チームを前身とするクラブ。現在は教員のみならず、様々な業態の選手が、それぞれの業務との両立を図りながら、情熱を持ってプレーしている。
今シーズンはチャレンジリーグ開幕まで、主要大会への出場がないまま現在に至っている。中田、上場、和井田、小松、辻といった主力選手が退団(のちそれぞれ移籍)した。セッター・高橋洋史(明治大出身)、サイドアタッカー・濱口純一(法政大出身)、レシーバー・岩下忠正(中央大出身)などがそれぞれの母校でコーチを務めるなど、バレーボール自体への情熱は熱く感じられたものの、チームとしての活動が見えて来にくい状況で、どれだけ強化が図れてきているのかについては、やはり不安が残る。
2008年年末、現4年生である根岸慎紘(リベロ)、白岩克俊(ミドルブロッカー)に加え、先の大学東西対抗にも出場した古田史郎(サイドアタッカー)ら法政大の現役学生が多数登録された。既存のメンバーとどう融合してチームが編成されていくのか、注目したい。
ジェイテクトSTINGS
- 監督:泉川正幸
- 主将:野沢憲治
- 07/08順位:5位
1958年、豊田工機バレーボール部として発足し、2006年1月1日に豊田工機が光洋精工と合併し社名がジェイテクトとなったタイミングで、現在のチーム名「ジェイテクトSTINGS」となった。2006/07シーズン中に加入したバルセロナ五輪代表・泉川正幸が今シーズンから監督に就任し、チームの指揮を執る。
今シーズンに入ってからは、2年連続サマーリーグ決勝リーグ進出、天皇杯での優勝した東レへの善戦等、精力的な選手強化が目覚ましい。前シーズンは故障に泣いた金丸晃大、東京ヴェルディから移籍加入した小松高則(ともに深谷高→亜細亜大出身)などミドルブロッカーの充実に加えて、小柄ながら味わい深いサイドアタッカー陣、大同特殊鋼から移籍加入した大砲・若山智昭(大阪商業大出身)の活躍にも注目したい。選手層は厚いだけに、悲願達成にはシーズンを通してのコンディション維持がカギになる。
富士通
- 監督:山本道彦
- 主将:今一騎
- 07/08順位:6位
地域リーグ当時からの歴史あるチームだが、2006/07シーズンからV・チャレンジリーグで戦うようになり、昨シーズンが2シーズン目。昨シーズンは、スタートでの連敗が響き6位となった。後半は上位チームを破るなど、チームのリズムが良くなってきただけに、なんとも序盤の状況が惜しまれた。
チームはここ2~3年でとても若くなった。昨シーズンは内定選手として出場していたセッター北沢浩、リベロ藤森圭(ともに岡谷工→早稲田大出身)など、主力として活躍する選手には1~2年目が多い。平均身長は決して高くないが、チームのキャッチフレーズである「明るく、楽しく、そして強く」よろしく、見ている側も引き込まれる、非常に楽しいバレーボールを展開する姿に注目したい。
大同特殊鋼レッドスター
- 監督:東岡昇
- 主将:西久保亮太
- 07/08順位:7位
2002年にV1リーグへ昇格し、以後何度か下位との入替戦に進んだが、これまでV1リーグ→V・チャレンジリーグで続けて戦っている。ハンドボールの強豪チームを持つ会社としても知られる。バレーボールチームには、昨シーズンから「レッドスター」という愛称がついた。
昨シーズンは7位という成績だったが、東京ヴェルディをフルセットで下した試合もあり、大物食いの大同は昨シーズンも健在であった。
昨シーズンまで攻撃面の中心選手として活躍していた若山智昭がジェイテクトへ移籍し、攻撃面では新たな一面を見せざるを得ない状況だが、新戦力も加入しており、より怖い大同の存在感を、今シーズンも見せてくれることに期待したい。
近畿クラブスフィーダ
- 監督:光山秀行
- 主将:川越裕康
- 07/08順位:8位
2005年、TOYO TIRESの廃部後、関西でバレーボールの普及、振興を行なっていた「近畿クラブ」が、その後バレーボールを続けトップを目指す選手達の受け皿となり発足した。2005/2006シーズンから「近畿クラブ」としてV1リーグ→V・チャレンジリーグへ参戦している。昨シーズンは調子に波があり、最終的には8位という成績で終了した。
今シーズンは初めてサマーリーグへ出場したり、このチームへ多くの部員が参戦している近畿大学ともども、天皇杯のファイナルラウンドに進出したりと、チームに大きな動きがみられた。V・チャレンジリーグ本番はどのようなチームで臨み、どんな戦いを見せるのか。経験と新鮮さが融合したときに、またひとつリーグでも飛躍が見られるだろう。
阪神デルフィーノ
- 監督:岩本正吾
- 主将:塩崎健一
- 07/08順位:9位
2006年に「HVCデルフィーノ」として創設されたチーム。現在はNPO法人阪神バレーボールコミュニティが運営している。昨シーズンは、NTT西日本レグルス、NTT西日本大阪など、廃部・休止となった実業団チームに所属していた選手を中心とする布陣で、年末に急遽追加登録された選手も含めて1試合1試合必死の戦いを繰り広げた。
今シーズンは、前つくばユナイテッドSun GAIAの浦田哲平など若手選手が多数入団し、チームの顔ぶれも大きく入れ替わった。しかし、真にバレーボールを愛する選手が、そのチカラと心を持ち寄ってチームを作り上げていくという姿勢は、昨シーズンと変わっていない。むしろさらに前進しているといえるだろう。昨シーズンよりもひとつでも上位に行くこと、それ以上に、バレーボールの楽しさ、バレーボールを盛り上げていくことの大切さを、リーグを通じてより大きくアピールしていく姿に期待したい。
トヨタ自動車サンホークス
- 監督:近藤浩
- 主将:上道映人
- 07/08順位:10位
戦前創部されたチーム。V1リーグ→V・チャレンジリーグでの最高順位は3位。ただし、近年の成績は下位が続いている。なお、今シーズンから「サンホークス」という愛称がついた。
06/07シーズンより2年連続サーブ賞を受賞した上道映人(ウィングスパイカー)や2年目の太田有紀(ゆうき、ウィングスパイカー)のパワフルな攻撃で、上位の壁をいかに崩していけるか。また、田中則雄(ミドルブロッカー)のコート上での雄叫びと、それを喜ぶ私設応援団の姿はどのくらい見られるか。
きんでん
- 監督:谷本孝司
- 主将:福冨和志
- 08/09より加入
大阪府(練習場所は兵庫県)に所在するチーム。西部地域リーグではここのところ優勝を続けていた。2006/07シーズンの地域リーグプレーオフでは、先にV・チャレンジリーグ入りしたHVCデルフィーノ(当時)を抑えて優勝したが、V・チャレンジリーグ入りは見送られた。続く2007/08シーズンも優勝し、今シーズンからV・チャレンジリーグへ参戦することとなった。
関西の高校・大学出身選手が多く、平均年齢は比較的若い。2007年に入社した塩大地(しお・たいち、ミドルブロッカー・近畿大学出身)は大学在学中に近畿クラブの選手としてV・チャレンジリーグへ出場しており、今シーズンは久々にその舞台へ戻ることとなる。
東京トヨペット
- 監督:松枝寿明
- 主将:伊藤優介
- 08/09より加入
東京都を拠点とするチーム。東部地域リーグで活躍し、今シーズンからV・チャレンジリーグへ参戦することとなった。選手はトヨタ車ディーラーに勤めており、勤務時間や休日が不規則である。それゆえ、地域リーグ時分にはリベロなしの6人で試合に臨む場面も多々みられ、選手層確保の厳しさが伺えたものであった。
チームの中心は、ベテランの域に入ったキャプテン・伊藤優介(ミドルブロッカー・順天堂大→富士フイルム)。194cmの長身は上位チームにとっても脅威となるか。その他長身選手は不在だが、それぞれに個人技の巧みさがあるだけに、V・チャレンジリーグという上位の舞台でそれをどうチーム力に昇華していけるかは楽しみである。


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