先月の全日本インカレ終了でシーズンオフに入った大学バレーですが、学連の仕事にオフはないようです。
先日、センターコートの作り方を詳しく教えてくださった(→記事)、関西大学バレーボール連盟副委員長の丸岡加代子さん(大阪体育大学4年/WS)に、学連での仕事や体験について伺いました。
-全日本インカレの運営は、去年は3日完徹したなんて話も聞きましたが、楽しみなものですか?
「いつもはそれぞれの学連でリーグ戦をやってますが、全日本インカレでは9学連が集まって運営するから楽しみです。寝れないとか、揉めることもあるけど、楽しい。でも、去年はサーバーがダウンしてしまって、たしかに大変でした。」
-全日本インカレの楽しみって、なんでしょう?
「久しぶりに他学連の人に会えることと、どれだけ運営がちゃんとできるかです。1年の最後の大会なので、それまでのリーグ戦や他の大会での失敗や経験をここで生かしてこそ、1年間の仕事を達成することになりますから。学連のことを信用してもらわないと、いい運営はできないので、普段からチームとはコミュニケーションを取るようにしています。この大会でそれができれば、きれいな完結です。決勝が終わったときに、いかに達成できたか、が学連スタッフをやってよかったと思えるかにつながります。」
-全日本インカレが終わった後、春リーグまではどういう仕事があるんですか?
「各大会の報告書を1年分まとめて、総会にかけて、『年間滞りなく大会できました』で、ようやく終わり。また、終わる前に、次の年の春リーグの準備も始まりますし、関西では審判講習会、他に大阪府学生の低身長大会などいろんな大会もあります。
小・中・高は小体連や中体連、高体連に所属する先生方が運営をしますが、大学は学連がその仕事をします。高校までは、体育館に行けばコートが出来てて、エントリーも終わってて、トーナメントの組み合わせも出来てて、バレーだけやってればよかったんですけど、大学では学連と学連の役員の先生方と協力して大会を作らないといけない。大変です(笑)でも、裏方の仕事をしないと、バレーをすることだけに必死になってて、レギュラーになれた、なれないだけにとらわれてたと思うんです。裏側の仕事は、やってみないとわからなかったですね。」
-学連スタッフをしてて、1番楽しかったことってなんですか?
「楽しいのは、各大会運営をいかに達成するかです。準備がとにかく大変で、1つの1日の大会を、何ヶ月も前から準備し始めるんです。関西は男女各100校以上が加盟しているので、 200を越すチームから一斉にエントリーが送られてきたり。寝ずに仕事することもあります。学連の仕事、部活、大学の勉強と、自分の時間が全くない中で何ヶ月も動いてるんです。で、準備が無事全部できて大会を迎えられて、大会が成功して、選手がやり切った姿を見たとき、『この人たちのためにできてよかったな』と思います。いかに選手が気持ち良く終わってもらえるか、が学連の仕事。最後の締めに向けての準備がうまくできて、大会がうまく閉じられたとき、『みんなやり切った!次もがんばろう』と思います。」
-では、1番の失敗は?
「この全日本インカレのグループ戦1日目の春日部体育館では、10時の試合開始が、10時45分になったんです。4年間やってきて、こんなに遅れたのは初めてでした。全日本インカレが4年生には最後の大会なのに、チームに迷惑をかけてしまって。これは、関東学連を中心に運営を進めているんですが、他の学連スタッフやチームとの連絡がうまくいってなかったから。指示できるスタッフが少な過ぎて、準備が進まなかったんです。審判も連絡ミスで、予定していた人が来ず、4試合連続で笛吹いてもらったり。出だしでやってしまって、辛かったし、悔しいです。」
-学連スタッフをやって、1番良かったことって、なんでしょう?
「人間関係の作り方です。関西学連には、男女20人のスタッフが各大学から来てます。それぞれ違う環境、違うチームでやってきてるから、『当たり前』と思ってることが全然違うんです。意見の食い違いがあるのはもちろん、連絡の取り方1つ違います。揉めたり、辞めると言い出したり、それを引き留めたり。ミーティングにミーティングを重ねて、やっと人間関係ができてきます。自分と合わない人とどうやっていくか、ふて腐れてる子にどう声を掛けてやる気を出させるか、ということを考えたし、1人で大会運営はできないから、人と協力することの大切さを学びました。
学連の仕事をしてなかったら、敬語もそんなに使えなかっただろうし、人との共通理解の持ち方も知らなかったと思うし、私は思ったことをすぐに口に出す性なので、たくさんの人を傷付けたと思うんです。いろんな考え方を身につけられました。ほんとにしんどかったけど、部活でプレーもやり切って、勉強も自分なりにがんばったし、学連もやり切りました。」
-「やり切った」と言えるのは、素晴らしいですね
「関西学連は人間関係にものすごく悩んで、改善して、解決してきた学連だと思ってるんです。他の学連では、それができないまま終わってしまいそうなところもあって、それが悲しい。でも、そのことで他の学連が一緒に悩んでいて、人のことを思いやれる人たちが多いな、と思います。
学連スタッフは、元々は選手として入部した人が多いので、チームからの指示で嫌々やってる人も中にはいます。でも、『みんなが大会を気持ち良く終わること』が共通理解で目標なので、運営しているうちに、自分が手を抜くとチームが迷惑する、ということが身に染みて解って、自覚と責任が芽生えてくるんです。気付くことができれば、人は動くと思うんです。気付いてもらって、人を動かすことが自分の目標なんです。」
—-
大会をスムーズに運営するには、膨大な準備が必要です。その大会が盛り上がるには、より多くの観客も必要です。
「やっぱり生で試合を見たほうが、バレーボールの魅力を感じてもらえるはず。特に男子バレーは、目の前で見ると迫力に圧倒されます!」と語る関西学連では、委員長自らチラシを大学内で配り、他の部活の生徒たちにリーグ戦を見に来てもらう努力をしているそうです。初めて見て「テレビで見るより断然面白い!」と、リピーターになってくれる人も多いとのこと。
選手にやり切ってもらう努力と、観客を集める努力は、4年生が卒業しても、変わらないはずです。
これからも、全学連スタッフの「やり切った!」という言葉が聞けるよう、観客席から応援していきたいものです。
※なお、文中で触れられている「大阪府学生の低身長大会(大阪府学生6人制身長制バレーボール優勝大会)」ですが、先日終了し、男子は大阪商業大学、女子は神戸親和女子大学が優勝しております。→大会結果記事を紹介している「ばれにゅ☆どっとねっと」のエントリーへ

